原告代理人弁護士小杉健太郎「まずですね、さくらさんがたかじんさんと出会うときに、さくらさんが別のイタリア人男性と結婚していたということは、殉愛書く前にご存じでしたよね。」
百田尚樹「はい。」
小杉「イタリアに彼はいるの?~~(読む)」
裁判長「読み上げなくていいですからね」
弁「結婚していたことは御存知だったんですよね。」
百「はい。」
弁「この会話は実際に、まず、誰から聞いたんですか。たかじんさんとさくらさんの会話は誰から聞いたんですかあなたは。」
百「さくらさん。」
弁「さくらさんが、たかじんさんとさくらさんの間で、こういうような会話をしたということをさくらさんから聞いた。よろしいですね、そういう理解で。」
百「はい。」
弁「このたかじんさんとさくらさんの会話、結婚している女性が言う会話じゃないですよね。」
百「はい。」
弁「おかしいと思わなかったんですか。」
百「これ、娘さんとの名誉棄損に関係ある話ですかね。」
的場「弾劾だからね。」
小杉「取材源のさくらさんに対する弾劾です。お答えください。」
百田「関係ありますか。それならいくらでも話しますけど。」
裁判長「簡単でいいです。」
百田「このことに関しては、私自身が執筆に対して相当悩んだ部分ではあります。といいますのは、たかじんさん自身が自分の奥さん、つまりさくらさんの過去に関しては、これはもう知られたくないと思っていたのは確かです。そして、これは、いずれ、親しい仲間には言うと。結局その機会を失ったままたかじんさんは亡くなったわけですが、実は、私、この本の中に、たかじんさん自身が、これはどうしても世間に伏せておきたくなかったたかじんさんの幾つかの部分があります。その部分は実は本に書いてないです。ですから、たかじんさんのお父さんの国籍の問題であるとか、そういうことは、実は他の本で書かれたようなことも、もうたかじんさんがずっと隠しておきたかったことも一杯書いてます。ただ私はたかじんさん自身が…。」
小杉「あの結構です。」
裁判長「もう時間ですので。」
小杉「もう1点だけ。」
百田「ですから、たかじんさんが、さくらさんの結婚してたということを…。」
弁「おじさんには、あなたは取材したんですか。」
百「いいえ。」
弁「おじさんの名前と住所は知っていますか。」
百「知りません。」

被告代理人弁護士吉田朋「たかじんさんが御親族との関わりをあまり好ましく思ってなかったという話で、還暦パーティーの話があったと思うんですけど、具体的に。」
百田「たかじんさんが還暦パーティーをやったときに、マネージャーが気を利かしたかどうかわかりませんが、親戚とか母親とかお呼びしたんですね。当日サプライズでお呼びしたと思うんですが、たかじんさんはそのスタッフに激怒して、なぜ呼んだのだと。俺は親族と会いたくないんだっていうことで。スタッフは皆困ってしまって、パーティー会場をパーテイションで区切って他のお客さんとはもうたかじんさんとも目も触れない、そういう位置関係でなんとかパーティーをしましたという話は聞いています。」
吉田「そういう話を本を書かれる際には聞いていたということですか。」
百「はい。」
弁「載せなかったけれども。」
百「メモの中にも激烈な言葉も一杯書いてありますが、こういうのは本には書いてません。」
弁「娘さんをあんまり信用できなかった理由を簡潔に述べていただけますか。」
百「はい、結局事実だけ申し上げます。娘さんは2年間お父さんの闘病中、1度たりともお見舞いに行ってません。これは、ほうぼうで娘さんは言い訳しておりますが、連絡つかなかったとか、でもたかじんさんは札幌、大阪、東京のマンション、ハワイ、こういう場所に何人ものスタッフが何度もお見舞いに行ってます。ですからもう全く隠せい生活、誰とも会わなかったという事実はありません。さらに娘さんはそういう関係であるにもかかわらず、2010年5月(←要確認)裁判所に出した娘さんの陳述書があります。この中に、日常的に親しく連絡を取り合っていたというふうに書いてます。さらに、非常に親しい親子関係、親密な親子関係であったと書いてます。これは明らかに虚偽です。裁判所に対する陳述書で、こういう虚偽をもう堂々と言う人物というのが私の印象です。さらに…。」
弁「わかりました。一方で、さくらさん、いろんな話を聞いた後でも信用できると。」
百「私が書いたのは2年間のたかじんさんの闘病生活、たかじんさんと奥さんの。」
弁「その一番信用できる理由を御説明ください。」
百「理由ですか。膨大なメモ、資料、関係者からの。札幌、大阪、東京、ハワイ、こういうところに何度も関係者、スタッフが行ってます。そしてたかじんさんとさくらさんの様子を何十人の方が見ています。そういう方たちに、あの二人がどういう関係であったかっちゅうことを全部、取材、聞いています。そういう第3者の客観的な目を通しても、さくらさんの言葉は信頼できると。つまりたかじんさんを本当に心から思って、そして本当に24時間看護したということはもう信頼できると。」
弁「客観的に他の人も見て確認できる話と総合しても、さくらさんの話がずれてるところはなかったということですかね。」
百「はい。一部で後妻業だと、あるいは遺産を盗むためにたかじんさんと結婚したと、報道っていうか、心ないネットの声もありますが、これらは、笑止と言わざるを得ません。と言いますのは、8億のうち、6億が寄付なんですよね。」

被告代理人弁護士大井法子「374ページを示します。原告代理人の質問で、遺言書作成時、それから前日の録音があるということで質問がされていましたけれども、証人が、遺言作成時の前日に聞いたというのは、ここで、374ページで記載されている12月29日の録音ということでよろしいですか。」
百「はい。」
弁「証人が聞いた録音は、この12月29日と12月30日の遺言書。」
百「30日は私はビデオテープですが、これは見てません。」
弁「これはビデオテープで見てないと。」
百「はい。」
弁「じゃああなた自身が確認してるのは、この12月29日の前日のつまり危急時遺言の前日の録音ということですね。」
百「はい。」

原告代理的場「原告と故人が親しく連絡を取り合っていたことが虚偽であると言い切られたけれども、その根拠はどこにあるんですか。」
百「…」
弁「原告はさくらさんが登場してから故人と連絡が取れなくなってるんです。その前までは極めて親密な交流関係があった。それをあなたは何か確認してますか。」
百「してません。」
弁「虚偽であるとあなたが今大きい声で言いましたけれども、その根拠は全くないわけですね。」
百「あります。」
弁「何ですか。」
百「一度も見舞いに来なかった。」
弁「さくらさんと会う前は、極めて親密な関係であったということを虚偽であるとおっしゃったから、それはどういう根拠があるあるかということです。」
百「ですから一度も見舞いに来なかったということです。父親が末期がんでもう明日をも知れぬ命、この父親に対していわゆる父親の体を…。」
弁「さくらさんに出会う前の話を聞いてるんです。」
百「前の話は知りません。」
弁「知らないわけですね。」
百「私が書いたのは最後の2年間なんです。そしてそれ以前にも、たかじんさんと娘さんは、非常に仲が悪かったっていうのは、みんな言うてます。」
弁「結構です。次の質問行きます。」
百「みんな言うてるんです。」
弁「還暦のパーティーの写真お知りですか。」
百「知りません。」
弁「還暦パーティーで怒り狂った話、誰から聞いたんですか。」
百「井関さんです。」
弁「井関から聞いたんですね。」
百「はい。」

裁判長裁判官「乙23-1、これは何ですか。」
百田「この1ページ目」
長「このノートは何ですか。」
百「全体を見ないと。」
長「開いてみて結構です。」
百「私の取材ノートです。」
長「乙23-2はどの時点で記載されてるんですか。」
百「どの時点と言いますと。」
長「ここに書いてある話を聞いたときに、その場で書いてるんですか。それとも後でまとめて記載しているんですか。」
百「聞きながら書いています。」
長「乙23が表紙のノートの中身はみんな聞きながらメモを取ったということでいいですか。」
百「基本的にはそうです。例えば、移動中に聞いた話とかは、後でささっと書くことはありますが、ほぼ99パーセントその場で書いてます。」
長「後から情報をまとめて書いたりとかはしないんですか。」
百「それはほとんどありません。」
長「例えばですけれども、乙23-2で、この会話のように書かれていますけれども、取材した人から全部聞いてその場で書いたという意味ですか。」
百「はい。」

以上